「知の拡張」を得て
視界クリアな意思決定が可能に
人的ネットワークも財産に。

日比谷浩行

受講のきっかけ




現在、サントリーウエルネス株式会社で新商品のブランドマネージャーをつとめています。「既存の価値観やビジネスモデルが通用しなくなる」と言われるVUCAの時代に、僕自身も停滞感を抱いていました。
これまでは、魅力的な新商品を作ってマス広告を打てば売れるというセオリーがありましたが、いまはSNSなどを通じて消費者が判断する時代です。企業側からの一方的なメッセージだけでは伝わらず、いい商品ができてもお客様に届けられないことに、やるせなさを感じていました。
そんな状況下で、社長より「リーダー層の知の拡張と、個の成長こそが、企業の成長に繋がる」と学びの機会を勧められて、TCLの存在を知りました。デザイン思考は、誰かに与えられた課題を解決するのではなく、自ら問いを立てて、枠に囚われずに0から1を生み出す思考法です。現状から脱却するために必要だと感じて、受講を希望しました。




TCL で学んだこと




実践を通してデザイン思考を体得できたことが、一番大きな学びでした。TCLには、同じ想いやビジョンを持つ受講生とチームを組んで、10日間で新しいアイデアを生み出すプログラムがあります。最終日には資料だけでなく、プロダクトやユーザー評価も併せてプレゼンします。
会社で例えるなら、月曜の朝に社長に呼ばれて「来週の金曜日までに、世の中にないビジネスを創ってほしい」と言われるのと同じような状況ですね。実務に置き換えると厳しそうですが、TCLではデザイン経営の第一人者である講師陣に伴走してもらいながら、形にすることができます。
僕のチームの共通点は「親子」で、子育て中の5人が集まりました。全員、子どもと教育に対する違和感を抱えていたので、議論を重ねて「大人も子どもも個性を大切にする世界を実現する」というビジョンを掲げました。
今の教育だと、親は子どもに自由に育ってほしいと願っていても、いつの間にか受験競争の波にのまれて、大切なことを見失いがちなんですよね。子どもは、幼い頃からテストの成績を気にしたり、図工の時間ですら正解を求めて周りと同じような絵を描いたりする。
こうした実体験を持つ親同士が、「自分の力で人生を切り拓ける力を身に付けてほしい」「枠の外にはみ出すことが大切」という想いで、子どもの創造力を引き出すためのノートを作りました。親自身も、子どもの興味や可能性にもっと気付けるようになるといいなと。実際に、TCLに参加している親世代の方にもノートの試作品を使ってもらいました。お客様のフィードバックをもとに、安全に失敗できる貴重な経験だったと思います。机上の空論をかざすのではなくて、試作品を作ってブラッシュアップを繰り返した時間は、デザイン思考の実践そのものでした。








自身の変化




ブランドマネージャーとして壁にぶつかることも多い日々ですが、以前と違って視界はクリアです。自分の美意識や主観を大事にしながら意思決定できるようになりました。TCLを受講する前は、答えが見えない状況だからこそ、前例を踏襲してしまっていたんですよね。判断材料が足りないという理由で、意思決定を先送りすることもありました。
今は「無難な正解を探す」のではなく、「いち生活者として自分はこうすべきではないか」という視点で物事を捉えられるようになりました。失敗しても構わないという気持ちで、新たな試みに挑戦し続けています。
講義の中で、「個人の気付きは、データを分析するよりもはるかにシャープだ」とおっしゃっていた先生がいらしたのが印象的でしたね。そもそも、TCLに参加していなかったら、子どもと教育に対する違和感についても深掘りできていなかったと思います。会社員生活を送る中で、頭が凝り固まっていたので、まさに「知の拡張」を感じられるような3ヶ月間でした。








受講を検討されている方へ




改めて、VUCAの時代にビジネスパーソンに求められるのは、デザイン思考だと思っています。「間違わないように」と前例踏襲の誘惑や“正解探し”の罠に陥るのではなくて、まずは自らの「De-sign(既成概念を壊す)」思考で目指すべき方向性を探り、「答えは自らが創りだす」という意志をカタチにしていくことが大切なのではないでしょうか。TCLでは、それぞれの領域で圧倒的な当事者意識や熱量を持った仲間と出会えますし、「やりきった!」と思えるほどの濃密な実践が自信になって、デザイン思考を自分のものにできるはずです。同期はもう、一緒に戦った戦友ですよね(笑)。修了後も集まって議論を交わしていますし、チームメンバーの一人が子どもの遊び場を立ち上げたので、家族連れで遊びに行ったこともありました。同窓会なども開かれているので、TCLは母校のような存在になっています。ビジネスマンとしても、生活者としても視野が広がったので、ぜひこのプログラムを体験していただきたいです。